旧十和田市内の由緒ある湧水4箇所「沼袋の水」、「白上の湧水」、「落人の里の水」、「桂水大明神の水」が昭和62年2月、青森県の指定する「私たちの名水」に認定されたことを契機に、各名水の保全活動と環境整備を図り後世に伝えていくことを目的とし、十和田市名水保全対策協議会が設立されました。旧十和田湖町では、昭和63年3月に「八甲田清水」が認定され、平成17年の市町村合併により「私たちの名水」は5か所になりました。
また、平成13年度から沼袋名水地の広葉樹林の育成に取り組んできている保全活動が認められ、平成20年6月に環境省の「平成の名水百選」に「沼袋の水」が認定されました。さらに十和田市名水保全対策協議会は、平成24年1月18日に環境大臣から地球環境美化功績者の表彰を受け、さらに同年に特別事業として、三日市湧水地(キッコイジャの水)を市民の方々に親しまれる湧水地として整備しました。平成28年度にはもったいない・あおもり県民運動において「もったいない・あおもり賞」を受賞し、平成30年度には国土交通省主催の平成30年度水資源功績者表彰において国土交通大臣賞を受賞しました。
長年十和田市の名水保全と環境美化に貢献してきた十和田市名水保全対策協議会ですが、その36年間の活動に幕を下ろし、令和5年3月末をもって解散されました。
市では名水の実態を把握し、安全な水を守るため毎年隔月1回、湧水地の水質検査を行っております。
※ 名水は自然物であるため、環境の変化などで水質が変わることもあります。
生水は飲まず、必ず一度沸かすなどしてからお飲みください。
場所:十和田市大字赤沼字沼袋18番地8
室町時代より赤沼新山神社の修験者の占場、その後は近隣集落の信仰の霊場となっていました。現在でも、正月になると赤沼の住民はもとより他市町村からも参拝する人も見られ、米やお金を入れたおさんごをうって願をかけ、おさんごが沈むと願い事がかなうといわれる神秘的な聖地です。
場所:十和田市大字相坂字白上339番地
水量豊かで水温が一定していることから、市民の貴重な生活用水として利用されてきました。また、水が冷たく清く、良好な湧水であることから以前には酒造りの水としても利用されていました。この水を利用して県内水面試験場が設置されています。湧水の歴史的なものについては文献はありませんが、縄文土器や石器が出土したり、昔はエゾ館の竪穴住居跡があったりと、湧水地付近を中心に先住民が住んでいたと思われます。
場所:十和田市大字深持字舟沢138番地
昔、戦に敗れた武士が逃げ落ち、住みついた地であると伝えられています。四方山に囲まれ山あいの静かな小さな集落には西と東の角に2か所湧水があり、村人は「かどの水」と称していますが、梅集落の歴史的な風情、かやぶき屋根、カヤ人形などの昔ながらの趣が「落人の里の水」として知られるようになりました。
場所:十和田市大字深持字後平29番地1
昔、修行の途中病にかかった行者が、桂木の根元から湧き出る水を飲んだところ不思議と病が治り、ここに住み着いたといわれています。また、樹齢400余年の桂の大木の根元から湧き出ていることから、「桂水」と命名されています。
場所:十和田市大字法量字黒森山
ブナ林から大量に湧き出る清水は、毎分約2トンの湧水量を誇り、湯尻沢から中里川をとおり奥入瀬川へ流れています。また、焼山地区の簡易水道にも利用され、地域の貴重な水源となっています。
場所:十和田市大字沢田字蒼前平29-2
沢田地区の三日市稲荷神社にある湧水を、十和田市名水保全対策協議会が平成24年度に広場として整備しました。「ジャ」は沢の方言であり、「キッコイ」はこの地域の白山信仰に登場する「キクリヒメ」の神話が訛って伝えられたとも言われています。
また喜久井沢の稲荷神社を俗にキッコイジャのお稲荷様として明治十年前後、野月又右衛門氏が神主として勧請され、巨大な石がふたつある神秘的な場所が「紙より占い場」として伝わっています。