令和8年度 施政方針

 令和8年第1回十和田市議会定例会(2月24日開会)において、櫻田市長が令和8年度の施政方針を述べました。

 

  • はじめに
  • 令和7年度の取組及び令和8年度の展望
  • 令和8年度の主要施策
  • 4つの政策的柱
  • 市の主要施策 十和田市総合計画の基本目標別
  • 1.「市内外からより多くの人々や消費を呼び込めるまち(産業振興)」
  • 2.「地域全体で子育て・子育ちをしっかりと支えるまち(子育て・教育)」
  • 3.「すべての市民が健やかに暮らせるまち(健康・福祉)」
  • 4.「だれもが楽しく学び、豊かな心と文化が息づくまち(生涯学習・文化・スポーツ)」
  • 5.「地域で助け合い、災害に強く犯罪のない、安全・安心なまち(安全・安心)」
  • 6.「ゆとりと潤いあふれる暮らしを実感できるまち(環境)」
  • 7.「快適な暮らしや活発な経済活動を支える都市基盤が整ったまち(都市基盤)」
  • 8.「地域経済社会の持続的な発展を支える強固な経営基盤が確立したまち(自治体経営)」
  • 令和8年度の財政見通し及び予算の概要
  • おわりに

 

※ 施政方針とは

  市長の市政運営に対する基本的な考え方や主要な施策などについて述べたものです。

※ 本文書は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干変更があります。

 

はじめに

 令和8年第1回十和田市議会定例会の開会に当たり、所信の一端並びに市政運営の基本方針を申し述べます。
 「市民の皆様を笑顔にしたい!たくさんの笑顔であふれる十和田市にしたい!」
私は、このような思いを持って、この1年間市政運営に力を注いでまいりました。市長就任前は議員として市政に関わってまいりましたが、議員時代には見えなかった現状や課題がたくさんあることを知り、その課題解決や市政発展のために懸命に取り組んでまいりました。

令和7年度の取組及び令和8年度の展望


 中でも、最重要課題として取り組んだ「子どものための政策」、この核となる2つの施策の実現に目途をつけることができました。
 1つ目は、市民交流プラザ「トワーレ」を活用した屋内遊戯施設の整備です。
「すべての子どもがつながり、楽しく遊びながら成長できる遊戯空間」をコンセプトに、子どもたちが天候に左右されず、のびのびと遊び、また、子育て世代が交流できる場である屋内遊戯施設を、令和8年度中にオープンすることを目指し、整備を進めてまいります。
 2つ目は、3歳児未満を含めた保育料の完全無償化です。この完全無償化は、子育て世帯の経済的な負担を軽減し、子育て環境を充実させる重要な施策の1つです。財源確保に一定の目途が立ち、未来を担う子どもたちの笑顔のために、令和8年度当初からの実施に向けて取り組んでまいります。
 そして、喫緊の課題であります市立中央病院の経営改善については、市長就任直後から取組を進めてまいりました。私自身、病院事業管理者と経営改善に向けた議論を幾度も重ねながら、できるものはすぐに実行に移してまいりました。また、市長会を通じて国や県に要望もしてまいりました。経営改善に向けた取組により、少しずつ改善の方向に向かっていると感じてはおりますが、人件費や物価の高騰の影響もあり、今年度すぐさまには黒字に転じることは難しく経営改善はまだまだ道半ばです。
 一方で、市立中央病院は市民の命と健康を守る地域医療の砦です。このような使命を持った決して無くしてはならない病院であると、私は強く思っております。本市そして圏域の医療の維持・確保のために、私もより一層経営改善に努めてまいります。
 このほか、国内では米価や食料品などの物価高騰が続いており、本市においても市民生活に大きな影響を与えております。この状況を踏まえ、今年度の当初予算及び補正予算により、国の交付金を活用した物価高騰対策事業を順次開始し、市民や事業者支援を実施してきております。
 私は、これまで必要な支援を迅速に市民の皆様にお届けしたいとの思いで日々取り組んでまいりました。その中で、何よりも大切にしてきたことは、市民の皆様のご意見に真摯に耳を傾けること、そして職員との対話です。この1年間できるだけ市民の皆様の会合におじゃまをさせていただいて、直接お話をお伺いし、日々多くの気づきや学びを得ながら、市政運営に取り組んでまいりました。そしてまた、いろいろな場において、たくさんの市民の皆様から、温かいご支援と多くの励ましのお言葉を賜りました。心から感謝を申し上げます。
 新年度におきましても、引き続き、市民の皆様からの声を市政に反映させるべく、より一層ご意見をお伺いする機会を設けてまいります。併せて、市政をより円滑に進めるため職員との対話も活発にしてまいります。
 2年目の市政運営にあたり、私は改めて『虚(きょ)心(しん)坦(たん)懐(かい)』、まっさらな心で物事にあたる、という基本姿勢を心に刻んでおります。今後も引き続き、強い使命感を持って、公約の実現そして市政発展のために一層尽力してまいります。

令和8年度の主要施策


 そのような決意のもと、私がはじめて本格的に予算編成を行った令和8年度当初予算案に盛り込んだ重点事業と施策をご紹介申し上げます。
 はじめに、本市の最上位計画である総合計画については、現行の「第2次十和田市総合計画」が令和8年度末に終了となることから、引き続き、各種施策、実施事業等について、市民のご意見、特に、これからの本市を担う若い世代のご意見を多く取り入れるとともに、市民一人ひとりが幸せを実感できるよう「ウェルビーイング(市民の幸福度)」を指標に取り入れ、令和9年度を初年度とする「第3次十和田市総合計画」の策定に取り組んでまいります。
 行政組織については、分かりやすさや親しみやすさを重視するとともに、多様化する行政課題へのきめ細やかな対応を図ることをコンセプトに、新たな組織体制により行政サービスを提供してまいります。特に、市内外に本市の魅力を効果的にPRすることを目的に「シティプロモーション課」を新設し、情報発信体制の充実を図ってまいります。また、昨年8月の記録的な大雨による十和田湖畔、奥入瀬渓流等での土砂崩れや道路冠水のほか、12月の青森県東方沖地震など、いつ起きるかわからない災害にしっかりと対応するため、「防災危機管理室」を「防災安全課」へ昇格させ、災害に備える体制を強化してまいります。
 さらに、組織の再編に併せて、市役所を訪れる市民の皆様にとって効率的で利便性が向上するよう、市役所本館・別館のフロア配置の一体的な見直しを行ってまいります。

4つの政策的柱

 次に、私が公約として掲げた4つの政策的柱についてご説明いたします。
 1つ目の「子どもが笑顔になれるまちづくり」については、先ほど申し上げました、屋内遊戯施設の整備と保育料の完全無償化のほかに、新たに、はじめての絵本プレゼント事業の実施や、不妊治療に係る交通費と不育症検査費を助成することで、子どもを産み育てやすい環境の充実を図ってまいります。また、小・中学生のむし歯予防のためのフッ化物洗口事業やひとり親家庭等を対象に大学等受験料及び模擬試験受験料を支援する事業など、切れ目のない子育て支援を実施してまいります。
 2つ目の「働く人たちが笑顔になれるまちづくり」については、新たな雇用の創出に向けて、知見を有する事業者を活用して企業誘致に取り組むとともに、資格取得等による人材育成支援事業の対象年齢を拡大し、人材の確保や定着を図ってまいります。
 3つ目の「高齢者が笑顔になれるまちづくり」については、高齢者の積極的な社会参加を促すため、これまでの取組に加え、新たに加齢による軽度・中等度の難聴者の補聴器購入に要する経費を支援する加齢性難聴者補聴器購入費助成事業を開始するほか、軽度認知障害の早期発見につながる脳機能デジタルチェックを実施することにより、高齢者が住み慣れた地域で生活を継続できるよう高齢者福祉のさらなる充実を図ってまいります。
 最後に、4つ目の「ひとりひとりが笑顔になれるまちづくり」については、半世紀ぶりに本県で開催される国民スポーツ大会「青の煌(きら)めきあおもり国スポ・障スポ」において、関係団体や市民との連携のもと、競技の円滑な運営や温かなおもてなしを感じていただける大会となるよう、市民の皆様と一丸となって全力で取り組んでまいります。また、秋まつりの山車製作費補助金を拡充するなど、地域コミュニティを支援してまいります。
 以上、重点的に取り組む施策について申し述べましたが、その他の施策につきましては、「第2次十和田市総合計画」に掲げる基本目標に沿ってご説明いたします。

 

 市の主要施策 十和田市総合計画の基本目標別
1.「市内外からより多くの人々や消費を呼び込めるまち(産業振興)」

 まず、基本目標1「市内外からより多くの人々や消費を呼び込めるまち」に関してです。
 観光力の強化と充実については、「観光戦略2025-29」に基づき、一般社団法人十和田奥入瀬観光機構と連携し、持続的な観光地域づくりに取り組むとともに、「十和田八幡平国立公園利用拠点マスタープラン」を踏まえ、十和田湖休屋地区の魅力向上を図ってまいります。
 とわだ産品の販売拡大については、ふるさと納税の寄附額増加に向けたプロモーションを強化するとともに、安全でおいしい食材の供給体制を含めた積極的なPRにより、農畜産物のブランド力を高めてまいります。
 農業の振興については、意欲ある農業者の機械・設備導入を支援する「とわだの農業力」サポート事業等により、生産性の向上を図るとともに、労働力不足解消のため、農作業の省力化に有効なスマート農業技術の導入を促進してまいります。
 畜産の振興については、引き続き、肉用子牛のワクチン接種の支援を行うとともに、家畜防疫対策に努めてまいります。
 林業の振興については、森林経営管理制度に基づき、再造林及び森林環境の整備を促進してまいります。
有 害鳥獣対策については、昨年12月に策定した「緊急銃猟マニュアル」に基づき、関係機関との連携をより一層図りながら、市民の安全・安心の確保に努めてまいります。

2.「地域全体で子育て・子育ちをしっかりと支えるまち(子育て・教育)」

 

 次に、基本目標2「地域全体で子育て・子育ちをしっかりと支えるまち」に関してです。
 安心して子どもを産み育てられる環境づくりについては、「第3期子ども・子育て支援事業計画」に基づき、切れ目のない支援のさらなる充実を図ってまいります。また、妊婦やご家族が安心して妊娠・出産期を過ごせ、少しでも負担の軽減が図られるよう、引き続き、妊婦健康診査に係る交通費助成や不妊検査費用の助成事業を実施してまいります。さらに、5歳児健康診査を実施し、小学校就学前の幼児が必要な支援につながるよう取り組んでまいります。
 学校教育の充実については、教育DXの推進を図るため、1人1台の情報端末の更新等により、個別最適な学びの充実を図るとともに、いじめ・不登校に対する教育相談に加え、特別支援教育支援員の配置により、児童・生徒へのきめ細やかな対応に努めてまいります。
 小・中学校施設については、児童・生徒数の推移を見定め、小中学校の将来的な適正配置について検討してまいります。

3.「すべての市民が健やかに暮らせるまち(健康・福祉)」

 次に、基本目標3「すべての市民が健やかに暮らせるまち」に関してです。
 健康づくりの推進については、働き盛り世代への対策に重点を置き、がん検診の受診率向上や要精検者に対して、精密検査の受診勧奨を行い、早期発見・早期治療を推進してまいります。また、啓発型QOL健診などの実施を通じて、健康意識を高めていただき、生活習慣の見直しを促しながら、糖尿病や高血圧の予防に重点的に取り組んでまいります。
 病院事業については、先ほども申し上げましたとおり、経営改善により一層力を入れて取り組むとともに、上十三圏域における医療・福祉・介護等の連携を深め、地域医療支援病院として、効率的な医療提供体制の中心的な役割を担ってまいります。
 高齢者福祉の充実については、関係機関との連携、協働のもと、地域ごとの問題や特徴を把握し、「第10期高齢者福祉計画・介護保険事業計画」の策定に取り組み、高齢者の介護予防や認知症対策に努めてまいります。
 国民健康保険事業については、特定健康診査未受診者対策、がん検診無償化事業、糖尿病重症化予防等のほか、新たに人間ドック、脳ドック無償化事業を実施し、受診強化対策及び保健事業の充実に努めてまいります。
 後期高齢者医療事業については、フレイル予防対策を推進し、健康寿命の延伸と医療費の適正化を図ってまいります。
 障がい者福祉については、あいサポート運動を推進し、障がい者が暮らしやすい社会づくりに取り組んでまいります。また、「第3期地域福祉計画」に基づき、保健、医療、福祉、保育、教育等の各分野の連携強化を図るとともに、令和9年度を初年度とする「第3次障がい者基本計画及び第8期障がい福祉計画・第4期障がい児福祉計画」の策定を進め、適切なサービスの提供に努めてまいります。

 

4.「だれもが楽しく学び、豊かな心と文化が息づくまち(生涯学習・文化・スポーツ)」

 次に、基本目標4「だれもが楽しく学び、豊かな心と文化が息づくまち」に関してです。
 文化の振興については、市民文化センター開館40周年記念事業として、「NHKのど自慢」の公開生放送を実施するほか、子どもから大人までが楽しめるファミリーコンサートを開催いたします。また、市内各地域で継承されてきた貴重な無形文化財である、神楽をはじめとした伝統芸能のPR動画を制作し、その活動や魅力を発信いたします。

5.「地域で助け合い、災害に強く犯罪のない、安全・安心なまち(安全・安心)」

 次に、基本目標5「地域で助け合い、災害に強く犯罪のない、安全・安心なまち」に関してです。
 安全・安心の確保については、セーフコミュニティの理念のもと、市民や関係機関等との協働による予防対策に継続して取り組んでまいります。また、防災体制については、情報発信の充実に加え、自主防災組織の設立等による地域防災力の強化を通じて、市民の安全を確保してまいります。
 消防団活動については、団員の確保に加え、消防屯所や消防団車両等の整備を計画的に進めてまいります。
 広域自治組織の育成については、多様化・複雑化する地域課題に対応するため、広域コミュニティ活動の活性化を図るとともに、新たな小学校区等での組織化を進めてまいります。
 移住・定住人口の促進については、首都圏をはじめとする都市部からの移住や関係人口の創出を図るとともに、若年世代への経済支援や情報発信の強化により本市への定着を促進してまいります。特に、若年・子育て世帯に本市に住み続けていただくため、移住・定住住宅取得等支援事業の対象者について、移住者の方に限らず、若年・子育て世帯の市民全てを対象とした支援を行い、定住促進を図ってまいります。

 

6.「ゆとりと潤いあふれる暮らしを実感できるまち(環境)」

 次に、基本目標6「ゆとりと潤いあふれる暮らしを実感できるまち」に関してです。
公園施設の整備については、「公園施設長寿命化計画」に基づき、遊具の更新を行うなど、適切な維持管理に努めてまいります。
 地球温暖化防止対策の推進については、「地球温暖化対策実行計画区域施策編」に基づき、市民、事業者と一体となった取組を進め、2050年までに二酸化炭素排出量の実質ゼロを目指し、まずは道路照明灯や公共施設の照明器具のLED化に取り組みます。
 ごみ処理の適正化については、「一般廃棄物(ごみ)処理基本計画」に基づき、市民、事業者及び行政の協働により、ごみ発生の抑制やバイオマスを活用した生ごみの減量等に取り組み、循環型社会の形成に努めてまいります。

7.「快適な暮らしや活発な経済活動を支える都市基盤が整ったまち(都市基盤)」

 

 次に、基本目標7「快適な暮らしや活発な経済活動を支える都市基盤が整ったまち」に関してです。
 道路及び橋梁については、「国土強靭化地域計画」に基づき、防災・減災対策に取り組み、適正な維持管理と長寿命化を図ってまいります。また、主要地方道三沢十和田線の交通安全対策や高規格道路等の広域的な幹線道路の整備促進について、市民の機運を高めるためのフォーラムを開催し、引き続き、関係機関に要望してまいります。
 上下水道事業については、人口減少や節水型社会への移行により、収益が減少傾向にある中で、安全・確実な上下水道サービスの継続を目指すため、「上下水道事業経営戦略」に基づき、持続的な機能確保と効率的な経営に努めてまいります。

 

8.「地域経済社会の持続的な発展を支える強固な経営基盤が確立したまち(自治体経営)」

 最後に、基本目標8「地域経済社会の持続的な発展を支える強固な経営基盤が確立したまち」に関してです。
 男女共同参画社会の推進については、「第4次男女共同参画社会推進計画」の策定に取り組むとともに、引き続き、すべての人が個人として尊重され、個性と能力を十分に発揮することができる環境づくりに努めてまいります。
 行政改革の推進については、「第4次行政改革大綱」に基づく取組を着実に進め、多様化・高度化する市民ニーズに対応できるよう、費用対効果を踏まえた行政運営に努めてまいります。また、デジタル技術を活用し、窓口業務の改善や電子申請を推進することで、引き続き、市民の利便性向上や行政サービスの効率化に取り組むとともに、第三者による外部評価を含めた事務事業評価の実施により、効果的かつ成果重視の市政運営に努めてまいります。

 

令和8年度の財政見通し及び予算の概要

 次に、令和8年度の財政見通しについてです。
令和8年度予算においては、財政規律に配慮しつつ、公約として掲げた4つの政策的柱に関して重点的に取り組むことといたしました。
 令和8年度の一般会計予算の歳入歳出総額は、総合体育センター長寿命化改修事業等の大規模事業がピークを越えたため、前年度比7%減の366億5,000万円となり、財政調整基金等の基金からの繰入額は、前年度から9億2,055万4,000円減の34億1,179万2,000円となりました。
 また、地方債残高は、令和8年度末において、332億8,008万9,000円の見込みとなっております。
 なお、物価高騰に対応した適切な発注が可能となるよう、実勢を踏まえた適正な労務単価や資材価格を考慮した予算を編成いたしました。

おわりに

 結びとなりますが、「期待ふくらむ!笑顔あふれるまちづくり!」の実現に向け、この十和田市が将来にわたって持続的に発展するまちであり続けるとともに、市民の皆様がこの十和田市での暮らしに幸福(しあわせ)を感じ、「生まれてよかった」「住んでよかった」と思ってもらえるように、そして市民の皆様をもっともっと笑顔にできるよう、魅力あるまちづくりに精一杯取り組んでまいります。
 市民の皆様、そして議員の皆様に一層のご理解とご支援を心からお願い申し上げ、私の所信の一端とさせていただきます。

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